「どこにどれだけ財産があるか」財産総額の把握
財産を取得できるのが誰なのかを明らかにしたら、次は3位にランクインした「財産総額の把握」に取り組もう。
どこにどれだけの財産があるかを明らかにしておく必要性については多くの識者たちが声を揃えた。相続・終活コンサルタントで行政書士の明石久美さんが説明する。
「銀行や証券会社、保険会社などでの取引情報はもちろん、家族が知らない不動産があればその情報も残しておくこと。これは意外に多く、例えば他者との共有名義の不動産があったり、本人も忘れているくらい古い土地や家などを持っている場合もあります。それらをすべて明らかにしたうえで、遺産をどうしたいのか、誰に何を相続させたいのかも決めておくといいでしょう」
財産総額を把握する際、5位に挙がった「通帳や保険証券などの場所を家族に共有しておくこと」も必須事項として、専門家から多数の票を集めた。亡くなった後は口座が凍結されることもあり、せっかくお金を残していても葬儀や生活費に使えなくなってしまう可能性があるからだ。
「クレジットカードや銀行口座からの自動引き落としがあれば、その情報も共有しておくこと。口座が凍結されても引き落とし請求は停止されないので、後から請求書が送られてくることもあるからです。定期購入で契約しているものは解約しないと請求が来るので、必ず共有を」(明石さん)
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