消費者からのさまざまな相談に応じ、助言やあっせん(交渉の手伝い)を行っているのが、「消費生活センター」などの相談機関。特に最近では、SNSを通じた「ロマンス詐欺」や「FX(外国為替証拠金取引)投資詐欺」などの相談も増えているという。
具体的にはどんな手口なのか。以下、よくあるトラブルの傾向と対策を、消費生活センターと同様の相談機関である『NACS(日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会)』理事の丹羽典明さんに解説してもらった。
「下ろすためには証拠金として追加で30万円必要だ」
【事例1】
中東の軍医と名乗る男性から「素敵な写真ですね」とInstagramのDM(ダイレクトメール)が来ました。夫に先立たれてひとり暮らしの私には、彼の優しさが身にしみて、どんどんのめり込み、結婚の約束も交わすまでに……。ある日、「すぐ日本に会いに行きたいけれど、退役前でお金が足りない。今回だけ日本までの渡航費を送ってくれないか」と言われ、ようやく我に返りました。これって、やっぱり、お金目当てのロマンス詐欺で確定、ですよね? 噂には聞いていたけれど、まさか自分が引っかかるなんて!(60代・女性)
【事例2】
フェイスブックで知り合い、交際に発展した外国人の彼氏から、「自分もやっていて利益が出ているから、君もやってほしい」と、海外口座でのFX取引をすすめられた。不安もあったが、彼が言うなら大丈夫かしら……と、数万円から始めたところ、すぐに配当があった。その後も面白いくらい利益が出て、300万円ほど追加投資したあたりで下ろそうとしたら、なぜか出金できない。彼に相談すると「下ろすためには証拠金として追加で30万円必要だ」と言うではないか。このときようやく、騙されたことに気づきました。(30代・女性)