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【老後資金問題から考える新NISAの意義】「こんなお得な制度を用意したのだから、資金不足になるのは“自己責任”」という国からのメッセージ

毎月5万円の積立投資を30年続ければ2億円も夢ではない

毎月5万円の積立投資を30年続ければ2億円も夢ではない

 新NISAの魅力を一言でいうなら、「国が税金をまけてくれる制度」だ。本来なら配当や売却益に約20%かかる税金が非課税となり、その期間も恒久化された。これによって、投資期間が長ければ長いほど有利になる。

 日本を除く世界の先進国の株式市場に丸ごと投資する「MSCIコクサイ」のインデックス型投信に月5万円を積み立てるケースで考えてみよう。過去10年間の運用実績は約13%なので、元手の600万円が10 年で1200万円以上に増えた。これを30年間続けると、1800万円の元本に対して資産は2億円を超える計算になる(別掲グラフ参照)。しかもこの利益を無税で受け取れるのだから、法外な特典というほかない。

 もちろん過去の実績は将来の結果を保証するものではないが、それでも複利のパワーのスゴさがわかるだろう。新NISAを使うかどうかは個人の自由だが、これほど有利な制度を国が用意しているのに、資産運用をせずに貧困に陥ったとしても、(おそらく)誰も同情してくれないだろう。

後編につづく

【プロフィール】
橘玲(たちばな・あきら):1959年生まれ。『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』『シンプルで合理的な人生設計』など、金融・人生設計に関する著書多数。『上級国民/下級国民』『無理ゲー社会』『世界はなぜ地獄になるのか』など、社会評論もベストセラーに。最新刊は『運は遺伝する』(安藤寿康氏との共著)。

金融・人生設計に関する著書を数多く持つベストセラー作家の橘玲さん

金融・人生設計に関する著書を数多く持つベストセラー作家の橘玲さん

※週刊ポストGOLD 新NISAで儲ける決定版より

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