多くの日本人は、日本で暮らして日本円で給料をもらい、マイホームを保有するなど、資産における日本円の比重が過剰になっている。日本株を除いた「MSCIコクサイ」に連動するファンドを勧めるのはこのためだが、新興国を含む全世界の株式市場に分散投資するオールカントリ―・インデックスや、世界市場の代替としてのアメリカ株(S&P500やNASDAQ)でもいいだろう。たったこれだけで、コスパ・リスパ・タイパを最大化できる最強のポートフォリオが完成する。
私自身、この方法で2019年から旧つみたてNISAで毎月3.3万円を積み立てているが、180万円の元金が280万円になり、すでに100万円の利益が出ている。
それに加えて個別株に投資したいなら、新NISAの「成長投資枠」を活用するのもいいだろう。配当や譲渡益を非課税で受け取れるだけでなく、売却によって投資枠が翌年復活するので、「つみたて投資枠」と併用できるのも魅力だ。
(前編から読む)
【プロフィール】
橘玲(たちばな・あきら):1959年生まれ。『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』『シンプルで合理的な人生設計』など、金融・人生設計に関する著書多数。『上級国民/下級国民』『無理ゲー社会』『世界はなぜ地獄になるのか』など、社会評論もベストセラーに。最新刊は『運は遺伝する』(安藤寿康氏との共著)。
※週刊ポストGOLD 新NISAで儲ける決定版より