新NISA(少額投資非課税制度)では「成長投資枠」「つみたて投資枠」で日本株・外国株・投資信託などに投資できるが、他の投資家たちはどんな銘柄に投資しているのだろうか。マネックス・ユニバーシティ室長・福島理氏が、2023年にマネックス証券のNISA口座で買われた銘柄の動向を分析し、新NISAの投資戦略を解説するシリーズ。第3回は米国株編。【全3回の第3回。第1回「投資信託編」から読む】
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米国の個別株ランキングはどうだろうか。まず今年の米国市場は、引き続き強い相場が期待されると見ている。一つは11月に大統領選があることだ。今回の大統領選はやや荒れそうだが、アノマリーとして株高傾向があることは意識しておきたい。
もう一つは、米国の利下げ期待だ。米国では政策金利を5.5%まで上げてきた。これまでの景気引き締め効果で一時的に弱含む局面はあるかもしれないが、インフレが抑制されれば今度は利下げ期待が高まってくるだろう。となれば、株式市場にとってはプラスだ。
NISAで買われている米国株の特徴は、ETF(上場投資信託)が多い点だ。なかでも2位の「SPDRポートフォリオS&P500高配当株式ETF」や8位の「バンガード・米国高配当株式ETF」など、高配当株を組み入れたものが人気だ。
つみたて投資枠ではなく成長投資枠で米国株ETFを買うメリットは、臨機応変に戦略を変えられることだ。高い配当金をもらいながら長期保有してもいいし、キャピタルゲインがある程度得られるなら利益確定してもいい。乗り換えやすいのが個別株投資の醍醐味だ。
個別株で目を引くのは「配当貴族株」だ。一般に、25年以上連続して増配を実施している銘柄のことを配当貴族株と呼ぶ。6位コカ・コーラと16位ジョンソン・エンド・ジョンソンは61年連続、22位のプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)は67年連続で増配している。