ロック界のカリスマは、絶望の淵から這い上がり、現在の地位を築き上げた――。3月16日、矢沢永吉(74)が『MUSIC FAIR』(フジテレビ系)の3000回記念スペシャル第3弾に出演。地上波の音楽番組にほとんど出演しない矢沢はなぜ、今回のオファーを受けたのか。テレビ局関係者が語る。
「矢沢さんがボーカルを務めたバンド『キャロル』がブレイクする前、フジテレビの『リブ・ヤング!』という番組でロキシーファッションの特集をしていた。番組を見た矢沢が、局に電話して『俺たちは昔からロキシーファッションをしている』と売り込み、出演にこぎつけた。それを機に、キャロルは売れて行った。当時の番組スタッフには、今の『MUSIC FAIR』のエグゼクティブプロデューサーである石田弘氏がいました。とんねるずがテレビでよく口にしていた、あの石田さんです。矢沢は昔の恩を忘れていないため、今回の出演に至ったそうです」
キャロル解散後、矢沢はソロデビュー。アルバムはバンド時代を優に越えるセールスを記録し、自伝『成りあがり』も大ヒットした。そんな矢沢の名を世に浸透させたのは、「高額所得者公示制度」、いわゆる「長者番付」だった。国税庁の発表によれば、1978年の申告所得額は1億7123万円に上り、歌手部門1位になった。
「著書の印税はもちろんですが、矢沢さんは楽曲の原盤権を獲得しており、その額が大きかったと思います。当時は大手の音楽出版社が原盤権を持っており、アーティスト本人への配分は限られていた。だから、他の歌手と比べて、額の桁が違ったのだと思います」(音楽関係者)