バブル超えを記録した空前の株高や新NISAの登場で、かつてないほど高まる投資熱。だが、付け焼き刃の知識で投資に手を出すと火傷する。2005年に発表された最後の高額納税者番付でサラリーマンとして初の1位(納税額37億円)となった投資家・清原達郎氏が投資メソッドを公開した。個人資産800億円、著書『わが投資術 市場は誰に微笑むか』もベストセラーとなっている伝説の投資家がその投資術を指南する。【第3回の第2回。第1回から読む】
「PBR信仰」から脱却せよ
割安小型成長株をどうやって選ぶのか。一般的に企業の株価分析で使われる指標のひとつにPBR(株価純資産倍率)がある。株価を1株当たりの純資産で割った数値で、企業分析の指標として重宝される。だが清原氏は「PBRはまったく役に立たない」と手厳しい。
「PBRは株価を帳簿上の純資産の面から見る指標ですが、企業のもつ固定資産の価値が正しく評価されているとは限らず、PBRは企業価値の基準として役立ちません。それよりも株価を1株当たりの当期純利益で割った『PER』(株価収益率)や、会社の持つ流動資産と投資有価証券から負債を引いた『ネットキャッシュ』の比率のほうが割安小型成長株を見つけるには適しています」(清原氏・以下「 」内は同じ)
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