他にも空家法基本指針では、所有者に建物の保安上の危険、衛生上の有害性、景観悪化、周辺環境への悪影響等に留意して定期的な通気や換気等の管理を求めています。また、努力義務ですが、空き家活用のために国や自治体の施策への協力義務も新設されました。
なお、『空家法』とは別に、『改正不動産登記法』が今年4月1日より施行され、相続登記が義務化されます。具体的には、相続によって所有権を取得したことを知った日から、3年以内に相続登記をしないと、10万円以下の過料の制裁を受けます。改正法施行以前の相続の場合でも、3年間の猶予はあるものの、同様の登記義務が発生するので注意しましょう。
【プロフィール】
竹下正己(たけした・まさみ)/1946年大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年弁護士登録。
※週刊ポスト2024年3月29日号