健康意識の高まりから手軽にタンパク質を摂取できるプロテインを愛飲している人もいるだろう。筋力アップという目的だけでなく、健康や美容など、さまざまな目的での用途が広まり、多種多様の商品が発売されている。その一方で、プロテイン生活に挫折する人も少なからずいるようだ。
フィットネスブランド「VITAS」を展開するスリーピースの調査では、購入したプロテインを飲みきれず余らせた経験として、56.9%の人が「はい」と回答。実に約6割の人が挫折しているのだ。なぜ途中で飲まなくなったのか、実際にそうした経験がある当事者たちに理由を聞いてみた。
1杯で多くの栄養を摂取できるタイパに惹かれたが…
メーカー勤務の20代男性・Aさんは、朝食として、プロテインを飲み始めたことがあった。
「時間のない朝、手軽にたんぱく質を摂れるのはいいなと思って、ネットで粉末を買いました。ビタミンや乳酸菌など、さまざまな栄養素が配合されているものも多いんですよね。1杯で多くの栄養を摂取できるタイパの良さにひかれ、チョコレート味やバナナ味など、飽きないようにと3、4種類の味を買ったんです」
しかしAさんは、早々に飽きてしまう。
「シェイカーを使って作るだけとはわかっているんですが、それすらも面倒になるという……。しかも、なんだか臭く感じるようになってきました。もちろん、いろんなプロテインがあると思いますが、僕が買ったのはどれも香料が強めで、だんだん匂いをかぐだけで気持ち悪くなるようになってしまいました。全部の袋を少しずつ開けてしまったから、フリマに出すわけにもいかない。1キロ入りなので、まあまあ残ったまま放置しています……」(Aさん)