まして、ご質問のダラダラしているというのは、やる気が感じられない仕事ぶりということだと思いますが、一応職場にいて、ダラダラにせよ仕事をしてはいるのですから、欠勤とはいえず、控除すべき労働時間が計算できません。
出勤時間がギリギリでも始業時間から仕事をしていれば遅刻になりません。終業後の職場への居残りに対しては残業を認めないことを明確に通告して退出を求めればよいと思います。働きぶりを理由にした勤務時間中の賃金の控除は無理です。使用者には賃金の全額支払い義務があり、違反すると罰則が適用されます。
そもそもやる気があるのかどうかは、人の見方によって違います。上司として看過できない場合であっても、本人とすれば精一杯ということもあります。部下を指導してその能力を引き出し、うまく働かせるのも上司の仕事のひとつです。とはいえ、何度注意しても改まらないような場合は、賞与や昇給時期の判断の中で評価できると思います。また、就業規則や給与規定に基づいて適法に降格や減給ができる場合もあると思います。
【プロフィール】
竹下正己/1946年大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年弁護士登録。射手座・B型。
※女性セブン2024年3月28日号