マイナス金利解除でどうなる?
今回、日銀は、今までのマイナス0.1%の政策金利を、0~0.1%程度に引き上げました。17年ぶりにマイナス金利が解除されたということで、大騒ぎとなっておりますが、それによってわたしたちの生活がダイナミックに変化するわけではありません。
日銀の政策金利は、市場で決まるそのほかの金利に影響があります。とくに気になる人が多いのは、住宅ローンの変動金利でしょう。日本では、住宅ローンの約7割の人が変動金利で借りているので、マイナス金利解除で、返済額が上昇したらどうしようと不安になっている人も多いかと思います。
先に結論からいうと、すぐには心配するほどの金利の上昇はありません。というのも、一般的に住宅ローンの変動金利の見直しは半年ごとなので来月からすぐ上昇ということはありません。また、多くの変動型住宅ローンでは、返済額の急増を防ぐ5年ルールを採用しています。返済額の見直しは5年ごとなので、明日から金利が上昇する心配はないでしょう(5年ルールを採用していない場合もあるので要確認)。
また日銀は「当面は緩和的な金融緩和を継続すると考えている」とも述べていますので、今後、ぐいぐいと金利が上昇するとは考えづらいです。上昇するとしても0.1%程度。それであれば返済額が増えたとしても、年間数万円といったところではないでしょうか?
とはいえ、長期でみれば、今後、政策金利が1%、2%台へと上がる可能性はあります。そうなった場合の返済額をシミュレーションして、無理なく返済できるかどうかは確認が必要です。
もちろん、マイナス金利解除によるポジティブな影響もあります。今までほとんどつかなかった銀行の預金金利が上昇する可能性です。また、個人向け国債の金利も上昇しますから、国債を買うメリットが大きくなります。今まではほとんど無視されていた金利ですが、これからは「金利のある世界」が再開します。今後の動向に注目しておきましょう。