貯蓄から投資へ──国を挙げた資産所得倍増計画のもと、1月からスタートした新NISA(少額投資非課税制度)。いまや成人の5人に1人が利用しており、その追い風となるかのように、日経平均株価は「バブル超え」を記録、市場は大いに沸いている。では、新NISAを資産形成にどのように活かすべきなのか。
家計再生コンサルタントの横山光昭さん(52才)は、新NISAについて「理由をつけていつまでも始めない」ことこそが、最大のデメリットだと話す。
「もちろん、投資である以上元本は保証されないため、それはリスクだと言えます。ですが、仕組み上の難点はそれ以外にはないと言っていいのではないでしょうか」(横山さん・以下同)
横山さん自身は楽天証券で新NISAを運用しており、そのやり方は至ってシンプル。
「年間120万円までの『つみたて投資枠』に毎月10万円ずつ、『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』に5万円積み立て、残り5万円を全米に分散する商品に投資しています。
一方の年間240万円までの『成長投資枠』では、半分の120万円を米国ETFに投資。残り半分はもう少し株価が下がったときに買うために残してあります。それには中国や台湾、韓国、インドといった伸びしろのある新興国などを選択肢に入れています。米国株を買うことも考えていますが、今後アメリカの株価が下がるかどうかはわかりませんね。いまのところ、新NISAでは商品を切り替えたり、売却したりするつもりはありません。複利的に増やしていき、老後は少しずつ引き出していくつもりです。