2020年初頭に始まった“コロナ禍”から4年が経過。2024年の今はすでに“以前のような日常”が取り戻されているが、この期間に定着したのが「リモートワーク」だ。コロナ禍が明け、再び出社勤務するようになった人も多いだろうが、なかには「完全在宅勤務」にすっかり切り替わったというビジネスパーソンも珍しくない。だが、新しい働き方の選択肢と注目を集める一方で、在宅での勤務が続くことで、家族関係がギクシャクするケースもあるようだ──。
都内に住むウェブデザイナーのAさん(40代男性)は、編集プロダクションに社員として籍を置くが、現在出社することはほとんどない。
「広告や企業ホームページなど、いろいろなウェブサイトのデザインを担当しています。雑誌や企業の社内報など、紙メディアの仕事もあります。コロナ前は毎日会社に行って作業をしていたんですが、コロナ以降は完全リモートワークになりました。打ち合わせもリモートですし、会社に行くことはありません」(Aさん・以下同)
完全リモートでの仕事については、特に不自由を感じることもないというAさんだが、日々の生活スタイルが変わってきたという。
「まず、ヒゲを剃らなくなりました。散髪に行く機会もぐっと減りました。朝起きて、髪の毛はボサボサ、ヒゲもボーボーのまま1日を過ごすことも多いです」
Aさんには、妻と小学生の子供が2人いるが、リモートワークになってからは、家族関係がむしろ「悪くなった」と苦笑する。
「コロナ禍では『在宅勤務になると家族と過ごす時間ができていい』みたいな声が取り上げられているのを見ましたが、程度問題ですよね。ずっと家にいると、まず妻としては、僕のだらしなさが目につきすぎてイヤみたいです。子供たちも最近は冷たくて、軽く無視されています。完全にウザがられるお父さんです……」