大学生の就活は売り手市場が続いている。リクルートワークス研究所の「ワークス大卒求人倍率調査(2024年卒)調査」によると、2024年卒の大学生・大学院生対象の求人倍率は1.71倍。2023年卒の1.58倍より0.13ポイント上昇した。また、就職みらい研究所の「就職プロセス調査(2024卒)」によると、3月卒業時点での就職内定率は96.8%で前年と同水準だった。一人の学生が複数の内定を取得しているケースも少なくない。2024年は2社以上の内定取得者は63.9%、2023年卒では65.7%だったという。
一部学生にとっては企業を選べる状況にもあるわけだが、一方で企業の採用担当者の悩みは尽きないようだ。「理不尽なことも多い」とぼやく採用担当者たちに、話を聞いた。
面接の無断キャンセルだけはやめて
不動産会社勤務で採用担当部署に勤務する30代女性・Aさんは、面接の無断キャンセルが増えていると嘆く。
「対面でもオンラインでも面接の無断キャンセルだけはやめてほしいのに、最近は本当に増えましたね。相手を簡単にブロックして、逃げられる時代だからでしょうか。他の企業の面接をかぶってそちらを優先することもあるのかもしれませんが、こちらは来るか来ないかわからない状態で待たされるのが一番つらいん。“相手が待っている”ことは考えないんでしょうか……。
こちらから学生に電話しても、出ないことも多い。先日は、10時に面接の約束で10時を過ぎても来ないので電話をかけたところ、学生から『今起きたので、面接、オンラインならできますよね?』と呑気に言われました(笑)。自己都合なんですよね、基本」
「電車遅延」で面接に遅刻してきた学生の態度にも気になる点があったという。
「突然の電車遅延は仕方がないことです。ただ、連絡なしで面接に遅れてやってきて、『電車遅延です』とだけ言い、遅延証明書を無言で出されました。今はスマホがあるんだから、遅延が発生した時点でまず連絡できるんじゃないかと思うんですけどね……」(Aさん)