軽んじられるリスクを避けているだけ?
また都内の私立大学文学部に通っている女性Bさん(20歳)の周りにも、「友達推し活」をしている友人がいる。
「私は、都内の中高一貫の私立から、そのままエスカレーターで大学に上がりました。そこで外部から大学受験をして入ってきた学生が、私の中学時代からの友人を『推し』だと言ってチヤホヤしています。別に本人たちがいいのならば他人が口を挟むべきではないと思うのですが、本音を言えば『私たちは友達だよね? 親友だよね?』と確認し合うのが怖いだけでは、と思ってしまう。
自分は相手を特別だと思っていても、向こうはそうではないかもしれない。こういう非対称な関係って、中高時代はすごい悩みだったりします。LINEの返信が来ないとか、自分を差し置いて別の女子と遊んでいるとか、いろんなケースで遭遇します。
結局『友達推し活』って、そういうコミュニケーションや、同性の友達から軽んじられるというリスクから逃げるための方便のように見えます。『推しからの反応や好意は求めていないので!』と予防線を張っているだけではないでしょうか」(Bさん)
異性は「恋愛対象」なのか、「推し」なのか
同性同士の「友達推し活」だけではない。なかには異性の友人や知人を「推し」にしている若者もいる。都内の私立大学教育学部に通う男性Cさんは、こう話す。
「僕の周りには、学科やサークルの女子を『俺はあの子が推しだわ~』とか言って盛り上がる男が数人います。なかには本人に、『今日も尊いです』とか『マジで推せる』とか直接伝える人もいる。でも、そういう奴らって絶対に『あの子が好きで付き合ってほしい』とは言わないんですよ。
結局、リアルの異性の知人を『推し』だという人は、真面目に好意を伝えられない、恋愛対象にするには高嶺の花、でも異性として魅力を感じている、というだけなのでは。でも、今って直接的に言いづらい空気があったりするので、まろやかにして『推せる』とか言っているんですよね。
どうせ告白して振られるのが怖いから、一方通行でアイドル的に消費しているんじゃないでしょうか? 相手の女子たちがどんな気持ちなのか、聞いてみたいですね(笑)」(Cさん)
「友達推し活」がトレンドとして注目されるなか、そこにモヤモヤしてしまう若者たちも少なくないようだ。