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【中学受験最新事情】受験率の高止まりは今後も続くと考えられる理由 「受験者数は2023年度以降ピークアウト」予想を覆す大きな追い風の正体

 ただ、これらの経済的な補助はあくまでも東京都在住の家庭に限る話だ。埼玉や神奈川、千葉などに住んでいる生徒たちは対象外だ。東京在住の家庭なら都外の私立に通っても高校は無償化となるのだから不公平な話ではある。

 この経済的な補助の決定が影響してか、2024年の東京在住受験生たちの埼玉の学校の志願者が増えた。埼玉の伝統女子校、淑徳与野が「医進コース」を開設したが、東京の御三家との併願が目立ったそうだ。医学部に進学させたい家庭が娘を受験させたと推測される。淑徳与野は初年度の納入金が87万5800円と比較的、学費負担がすくないが、それでいて、学習面での面倒見がいいから人気が出るのは理解できる。

 高校3年間の無償化は大きいだろう。中高一貫校の多くは塾がなくても大学受験対策ができるカリキュラムになっているが、高校に入ると塾通いを始めるケースは多い。実際、「塾は不要」と謳う私立一貫校の教師たちも「中学から塾に通うのは止めてほしいが、高校2年ぐらいから志望校対策を塾で勉強をするのはありだ」と話している。たとえば、早稲田大学は学部別に入試傾向が大きく異なるため、志望学部の対策を専門にやっている塾や予備校に通うのは効率的なのだ。そうなると、塾代がかかってくるので、高校の無償化はありがたいだろう。

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