「日本=先進国」イメージだったが…
熊本で情報サイト「臺灣人在熊本的生活」の運営を手伝う邱桂芬(キュウケイフン)さんが説明する。
「日本に来た台湾人が口を揃えて言うのは、とにかく物価が安いこと。特に不動産と日本車がとても安く、同程度のものが台湾の半額~4分の1の値段で手に入る。いちごやマスカットなどの高級フルーツも安いです」
台湾というと、日本を追う立場のように思ってきた日本人は多い。だが、もはや立ち位置は逆転している。
「今まで日本=先進国というイメージがあったので“あれ、思ってたのと違う”と感じる台湾人も多いです。都市部でも英語はほとんど通じないし、社会の変化も全体的に遅い」(熊本在住の台湾人女性)
前出のTSMC駐在員の妻が語る。
「夫は毎朝7時前に家を出て、帰宅は午後10時。時には深夜0時近い日もあります。家族旅行で阿蘇に行った時も、ノートパソコンを開いて仕事をしていました。『今は本社時代の4倍働かないといけないんだ』と言っていますが、身体が心配です」
次のページ:「日本人は定時で帰る。そのシワ寄せが台湾人に」