預貯金と防衛資金は忘れず確保
投資先が決まったら、あとは「毎月いくら投資するか」を決めるのみ。
新NISAは、投資信託が買える「つみたて投資枠」と、個別株なども買える「成長投資枠」を合わせて年間360万円、生涯で1800万円まで投資できるが、初心者ならまず、年間120万円までが上限のつみたて投資枠を使えばいい。
「成長投資枠でもつみたて投資枠と同じ商品が買えることが多いので、こちらはお金に余裕があるときに同じものをスポット買い(単発での追加購入)する程度でいいでしょう。どうしても個別株にチャレンジしたいなら“予算10万円まで”などと決めて、気になる企業の株を少しずつ買って楽しむのがおすすめです」(風呂内さん)
1800万円の上限も、焦って埋める必要はない。仮に年間360万円の枠をフル活用して5年で枠を埋められたとしても、その5年間で高値が続き、6年目以降に値下がりしてしまったら、高値掴みをして損するだけ。
焦って枠を埋めるより、淡々と長く出し続けられる金額を設定すべきだ。肝心の金額は「月収の17%」を目安にするのがいい。
「株価が急落したときや、急なけがや病気で働けなくなった場合に備えて、7.5か月分以上の生活費を『防衛資金』として預貯金で確保しておくのを忘れないでください」(横山さん)
最低でも10年は運用を続ける前提なので、学費や住宅購入資金など、10年以内に使う予定のあるお金も、預貯金として取っておこう。
「投資は魔法ではないので、金額も期待感もそこそこに。月々100円からでも、無理のない金額でスタートしてみて、1年ほど経ってから“やっぱり怖いからやめよう”“楽しいからもう少し金額を増やそう”などと、無理のない判断をしてほしい」(風呂内さん)
無理なく、楽しく、淡々と。「続けること」が、いちばんの成功の秘訣なのだ。
※女性セブン2024年4月25日号