新NISA(少額投資非課税制度)開始からわずか3か月で日経平均株価は急上昇、あっという間にバブル超えの株高に。だが、日本中が投資ブームに沸くいまでも「よくわからないし、怖い」と感じている人は少なくないはず。いまさら聞けない「新NISAの基本のキ」を徹底解説しよう。【前後編の後編。前編「はじめての口座開設編」から読む】
「アクティブ型」と「インデックス型」のメリット・デメリット
新NISAの主な投資商品は、複数の株式を福袋のように詰め合わせた「投資信託」。アメリカ株の詰め合わせ、全世界の株セット、株だけでなく債券にも投資できるものなど、さまざまな種類がある。
運用方法は運用会社が独自に選んだ株式で運用される「アクティブ型」と、日経平均株価などの経済指数に連動した値動きを目指す「インデックス型」の2つに大きく分かれる。ファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢さんが解説する。
「前者は、運用会社が独自にリサーチして運用するため、市場平均より高い成績を得られる可能性がある一方、その手間のぶんコストが高いのがネックです。
初心者なら後者の『インデックス型』がおすすめ。コストが安く、値動きはニュースなどでよく見る『日経平均』や『TOPICS』といった代表的な指数に連動しているので、情報を得やすくわかりやすい」
そして、初心者はインデックス型の中でも「全世界型」を選んでおけばいいと、家計再生コンサルタントの横山光昭さんは言う。
「1つ買っておけば、世界中の株式に自動的に分散投資できる投資信託で、『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』などが人気です。
さらに大きなリターンを狙う人や、投資をより楽しみたいという人は、これに『全米型』や『日本株』『インド株』などを追加で組み合わせてもいいでしょう。リスクを抑えるにはできるだけ幅広く分散した方がいいので『日本株のみ』『インド株のみ』といった偏った投資はおすすめしません。いずれにせよ『信託報酬』が安く、『純資産総額』が大きい商品を選ぶのがコツです」
ただし、投資は自己責任。どんな投資信託を選ぶにせよ、必ず自分で納得したうえで結論を出すことが重要だと、風呂内さんは説く。
「全米型ならアメリカが今後成長すると信じられるか、インド株なら今後インド経済が発展すると思えるかなど、繰り返し自問自答して選ぶべきです」(風呂内さん)