マネー

【日本だけじゃない】海外でも行われている年金制度の改悪 フランスでは約9万人参加の大規模な反対デモに発展

本来なら厚生年金の受給額も物価と同じく3.2%(7183円)引き上げられるべきだが、実際は2.7%上昇の6001円の増額。その差額1182円が不足していると考えると、年間では1万4184円もの実質的減額

本来なら厚生年金の受給額も物価と同じく3.2%(7183円)引き上げられるべきだが、実際は2.7%上昇の6001円の増額。その差額1182円が不足していると考えると、年間では1万4184円もの実質的減額

フランスでは9万人が怒りの声を上げた

 年金制度のこうした“改悪”は諸外国でも行われているが、わが国と大きく異なるのは、たとえ小さな変更でもその内容に異議があれば、国民が国に対してハッキリと「NO」を突きつけることだ。

 昨年3月には、フランス・パリの共和国広場で、年金の受給開始年齢を62才から64才に引き上げる改革に反対する10回目の大規模デモが行われ、約9万人が参加した。もともと現在の日本と同じ65才受給開始だったものが1980年代に60才に引き下げられ、それが2010年に62才に引き上げられた際も、大規模デモが続いた。

 2018年には中米ニカラグアで、社会保障制度の赤字拡大を食い止めるため、労働者の負担を増やすと同時に年金受給額を5%減らす内容に激しい抗議デモが起こった。暴徒化したデモ隊の投石や放火などによって少なくとも24名が死亡し、ダニエル・オルテガ大統領はこれを受けて改革の撤回を表明している。海外では年金の“改悪”は、これほど大規模なデモや暴動が起きるほどの“重罪”なのだ。

次のページ:制度“改悪”を逆手にとる方法は

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。