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【法律相談】「親権は絶対に渡さない」 離婚する夫婦、未成年の娘の親権者がどちらになるかの判断基準は

 親側の事情としては、養育に対する意欲や愛情の程度、健康状態、経済的・精神的な生活環境等が重要です。子側の事情としては、年齢、性別、子のきょうだい関係、肉体的・精神的発育状況、従来の環境と適応性、環境変化への順応性などが問題になります。

 具体的には、別居が先行していれば、養育を継続することが重視され、特に事情がない限り、親権者は従来から養育していた親がなると思います。また、乳幼児の場合には、母親優先の原則があるといわれています。母親が親権者になることが多いのはこうしたところからでしょう。

 さらに、子の意思も尊重されなければなりません。きょうだいが一緒に養育されることも大切です。家庭裁判所は、こうした種々の事情から、子のために最も利益になる親権者を決定しますが、不貞があったことは重視されません。ですから親権者の帰属について譲る必要はありません。

 現在、国会で民法改正が審議されており、今後、共同親権制度が導入され、元の夫婦が共に親権者になることもできるようになりそうです。また親権問題で協議ができなくても、親権者指定の手続きをとれば離婚できるようになります。

【プロフィール】
竹下正己/1946年大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年弁護士登録。射手座。B型。

※女性セブン2024年5月2日号

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