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【市場心理は「恐怖」に転換】中東情勢の悪化、米国のインフレ再燃懸念がもたらした悲観相場の行方

米国経済の状況

 15日に発表された小売売上高は予想前月比+0.3%に対し結果+0.7%と大幅なサプライズとなり、また、2月の数字も+0.6%から+0.9%に上方修正され、個人消費の強さを示した。これを受けて金利は上昇を続けており、米国2年債利回りは17日、一時5%台を付けた。

 また、その後発表された18日の失業保険申請件数も予想21万5000件に対し、21万2000件と予想を下回る結果となり、同日18日に発表されたフィラデルフィア連銀製造業景気指数に至っては予想1.5に対し15.5という、過去2年を見ても最高レベルの数字を出してきている。

 くわえて、30年住宅金利は7%を超える状況にもかかわらず、住宅販売の状況も非常に好調で強い需要を示しており、アメリカ経済が活況であるのは明らかだ。

 この状況では当然に利下げができるわけもなく、再度の利上げ懸念が生まれるのも当然と言える。株式マーケットがこの金利を跳ね返して上昇していくのは難しいと言わざるを得ない。

日本経済の状況

 日本経済は円安ドル高が止まらない。節目であった1ドル=150円を突破し、19日には154円を突破し、いよいよ155円が射程圏内となってきた。

 円安は日本株にとって追い風と言われてきていたが、それももう通じなくなってきている。

 年始からの一本調子の上昇は一服してきており、前述した政情不安や軟調なアメリカ相場の影響で、日経平均、TOPIX、グロース250ともに大きな下落を見せている。

 岸田文雄首相は、日本の首相として9年ぶり2人目となる米議会上下両院合同会議でジョークたっぷりの講演を行い、聴衆に大受けしたにもかかわらず、日本における支持率は低迷を極める。これも相場にとって好材料とは言えないだろう。

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