支払額はどんどん増える
それ以外の生命保険は「やめ時」を見定めたい。死亡保障のある掛け捨て型の定期保険は、「子供が独立した時点」で解約や保障額の大幅な削減を検討するべきだという。
「残される家族のために契約した定期保険は、子供が社会人になった時点で必要性が大きく減じる。配偶者のために一定の金額を残したい場合も、預貯金の額次第で死亡保障を減らす選択が有力です」
役職定年などで収入が減る50歳過ぎが頃合いだ。
「35歳男性が死亡保障2000万円の『10年更新の掛け捨て型保険』に加入した場合について試算すると、当初は2506円だった月額保険料が55歳での更新時には1万2540円に上がり、年15万円の負担に。65歳以降も更新するのは珍しいが、その場合の保険料は毎月約3万円になります」
図の通り、50歳で解約すれば、その後の20年分で約360万円の支出が圧縮できる。
「年齢の変化とともに保険料を貯蓄に回し、将来の費用に備えるべきです」
【プロフィール】
荻原博子(おぎわら・ひろこ)/1954年生まれ、長野県出身。経済ジャーナリスト。家計経済のパイオニアとして多方面で活躍。
※週刊ポスト2024年5月3・10日号