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【荻原博子氏が指南する生命保険の見直し術】35歳で加入した2000万円の「掛け捨て保険」のベストなやめ時

生命保険の「やめ時」をどう見定めるか(写真:イメージマート)

生命保険の「やめ時」をどう見定めるか(写真:イメージマート)

 万が一に備えて契約する「生命保険」。長期間、そのままにしていると大きな損になりかねない。『保険ぎらい』の著者である経済ジャーナリスト・荻原博子氏は「今こそ見直しが必要」と言う。

「現在のインフレが今後も続くと、将来受け取る保険金の実質的な価値は目減りするばかりです」(以下「 」内は荻原氏)

 荻原氏はまず、「ムダな保障」の点検を勧める。

「生命保険の保障には『死亡保障』と『医療保障』があります。歳を重ねるほど医療保障を増やしがちだが、大半の医療費は公的医療保険制度で補えます。高額療養費制度により、一般的な所得の現役世代なら月100万円の医療費がかかっても自己負担は9万円以下に。70歳以上なら1世帯で月額6万円以下といった水準が負担の上限となります」

 それに対し、毎月支払う保険料の負担は大きい。

「例えば医療保障の月額保険料が3000円だとすると、10年で36万円、30年なら100万円超の支出です。保険をやめてその分を手元に残せば、様々な使い途が選べる。夫婦で200万円くらいの貯金があれば医療費の備えとしては十分です」

“貯蓄”の機能を持つ生命保険も見直しの対象だ。

「解約時に返戻金のある終身保険、個人年金保険などの貯蓄型商品は保険料の支払期間が10年以上残っているなら解約を検討しましょう。0.3%といった低い運用利回り(予定利率)で固定される生命保険より、有利な選択肢があるはずです。

 ただし、貯蓄型のなかでも加入時の予定利率が高い時期(1990年前後は5.5%)の商品は解約しないほうがいい。払込満了後も死亡保障額が高利回りで増え続けます」

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