同じく会社員の夫は出勤が早いため、保育園の送迎を任せることができないそうだ。
「同年代の夫は育児には協力的ですが私よりも30分早く自宅を出るので、保育園の送迎は私の仕事です。夫はリモートワークのできない職種なので、病気などで休みとなったら、私が対応するしかないのも我が家の現実……。私はリモートワークが利用できる職場ですが、子供と同じ環境で仕事をするとなると、思い通りに行かないだろうな……と考えてしまいます」
「いっそのことキャリアを諦めて…」
カナさんが、5月に予定している職場復帰を不安に感じ始めたのは、保育園へ通い始めてからだった。その背景には、同じ保育園に通う保護者たちの様子にあった。
「行き渋る子供に対して怒鳴りつけたり、持ち物を忘れてイライラしたりする保護者の方をこの1、2週間だけでも見ました。これからイヤイヤ期を迎えたら私も同じようになってしまうのかもしれない……。保育士さんへ八つ当たりしてしまうかもしれない……。皆さん、それくらいいっぱいいっぱいの状況で、仕事と育児を両立することの厳しさを痛感しました。
職場にもたくさん頭を下げることになりそうです。保育園に通い始めるまでは『慣れれば何とかなるだろう』くらいの気持ちでしたが、私の考えは甘かったかもしれません」
さらに、慣らし保育に通うなかで、キャリアの継続をためらわせるような出来事もあったという。
「朝、保育士さんに子供をお願いするとき、絶叫して泣くようになりました。顔を真っ赤にして泣く我が子の姿を見ながら去らなくてはいけないのはすごく辛いです。私は何のために子供を持つ選択をしたのか考えさせられる瞬間でもありました。『いっそのことキャリアを諦めて子供との時間を大切にすべきなのでは』と思うようになり始めました」