座り方や乗降時の振る舞いなど、さまざまな電車内のマナーについては議論があるが、荷物の置き場所もその一つ。電車内には荷物の置き場として「網棚」が用意されているが、頑なに利用しない人もいる。先日は、大きなリュックを足元に置き、その両脇を挟むようにして足を開いている乗客が迷惑だとXで話題になった。たしかに大きな荷物がある場合は、網棚を有効的に使えば、混雑が緩和される側面があるだろう。
とはいえ、普段、電車の網棚に荷物を置くかどうか取材したところ、「利用しない」という人も多いことがわかった。そこには、どのような理由があるのか。網棚を利用しないという人たちに事情を聞いた。
高い所に重い荷物を載せて下ろすことが難しい
メーカー勤務の40代女性・Aさんは、網棚を利用しない理由についてこう語る。
「単純に私は身長が150cm台前半と小さいので、網棚まで手が届きません。飛行機で手荷物を上に入れる時もCAさんに入れてもらいます。もし電車内で邪魔になりそうな荷物を持ち運ばないといけないことになったら、基本的に空いている時間帯を考えるか、リュックを前に背負うなどして自分なりに邪魔にならないように工夫します。
以前、紙袋を両手に提げていた時、『網棚に載せましょうか?』と体格の良い男性が気を遣ってくれたのですが、丁寧に断りました。載せてもらっても、結局誰かに取ってもらわないといけないので」(Aさん)