投資情報会社・フィスコが4月29日~5月10日のドル円相場の見通しを解説する。
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今週・来週のドル円は底堅い値動きか。米連邦準備制度理事会(FRB)の引き締め的な金融政策の継続が見込まれ、ドル選好の地合いは続くとみられる。ドル円は4月24日に1990年以来34年ぶりに155円台に乗せ、日本の為替介入が警戒される。政府サイドから厳しいトーンの円安けん制が相次ぎ、目先は円買い圧力がより強まるとみられる。
仮に政府が為替介入に踏み切った場合、これまでの円売りポジションが巻き戻され、ドルは急落する見通し。逆に、介入見送りなら円売り安心感が主要通貨を押し上げる展開となりそうだ。日銀は4月25-26日に開催した金融政策決定会合で2024年度のインフレ見通しを上方修正し、円買いが意識された。ただ、当面は緩和的な政策スタンスを維持する方針とみられ、円売り方向に振れやすい。
一方、米国のインフレ再加速を受け、FRB当局者からタカ派的な政策スタンスが相次ぐ。4月30日-5月1日の連邦公開市場委員会(FOMC)では、市場の思惑通り現行の政策を維持する公算。引き締め的な政策の堅持を見込んだドル選好地合いが続く。雇用統計など重要経済指標が堅調なら、ドル買いを支援しよう。
【FOMC】(4月30日-5月1日開催予定)
FRBは4月30日-5月1日、FOMCを開催し、現行の引き締め的な政策を維持する見通し。利下げ時期の後退に思惑が広がれば米金利高・ドル高に振れやすい。
【米4月雇用統計】(5月3日発表予定)
5月3日発表の4月雇用統計は失業率が3.8%、非農業部門雇用者数は前月比+24.6万人の市場観測。ほぼ想定通りならドル買い地合いに寄与。