「いい法改正」と国を褒める銀座ママ
銀座のクラブのママも「企業のお客さまの数はまだまだ戻っていないです。国もいい法改正をするじゃない!と、お客さまが増えることをすごく期待していたのですが、ほんと暇なんです。この4月から経費にできる接待飲食費の額が倍増の1万円になったこと、みなさんご存じないんじゃないでしょうか?」と嘆く。
「もちろんお店にもよりますが、終電が出た後、深夜1時を過ぎたらお客さまがゼロになってしまう日があると複数のお店から聞いています。先日、ある店のママから深夜に電話がかかってきて、『誰もお客さんが来ないので、今からスタッフみんなでそちらのお店に行ってもいい?』と連絡があり、同じく、お客さまがその時間ゼロだった私の店にいらっしゃってくださったのは本当に嬉しかった。
こんな時はお互いさま。そのお店から後日、また深夜に『今夜も誰もお客さんがいなくて困っている』と電話がかかってきた時は、そのあと店を閉めてスタッフと一緒にお店に飲みに行きました。苦境で助け合う、夜の銀座で働く者同士の絆が深まっているような気がします。でも夜の銀座はやはりお客さま方で賑わって華やかでいてほしい。経済を回して景気対策にもつながる、せっかくの法改正ですので、企業の接待に活用していただきたいです」(銀座のママ)
大手企業の会社員たちに意外に知られていないことについて、前出の国税OB税理士は「経費になるとはいえ、出費には変わらない。(出費を圧縮するために)あえて会社が社員に伝えていないケースもあるかもしれませんね」と苦笑する。