積み立てる期間は10年以上をめざそう
積み立てる期間は、可能な限り10年以上をめざす。ファイナンシャルプランナーの藤川太さんは「投資の世界では10年は決して長くない」と話す。
「非課税メリットを生かすには利益が出ないと意味がないので、たとえ一時的に元本割れしたとしても、時間の許す限りは15年、20年と続けて運用して取り戻すことも想定しておくべきです」(藤川さん・以下同)
60才から70才までの10年間運用しつつ、公的年金の受給を5年繰り下げることができれば、受給額は142%に増やすことができる。すると70才時点で「新NISAで増やした資産」「受給額が増えた年金収入」「残った貯蓄」の3本柱が期待できるのだ。
「使う順番は、まず年金で生活費を賄い、毎月の年金を使い切っても足りない部分は貯蓄で補う。新NISAは自宅のリフォームや入院、介護などでまとまったお金が必要になったときにその分だけ取り崩すことをおすすめします。なるべく最後まで手をつけずに、運用を続けてください」
運用期間を長くすれば、それだけ資産を増やせる可能性が高まる。一気に全額を引き出すのではなく、取り崩しながらも運用を続けることが、資産寿命を延ばすコツなのだ。理想的なのは「積み立ては定額、取り崩しは定率」で行うこと。楽天証券やSBI証券、フィデリティ証券などでは、毎月自動で定額や定率での取り崩しができるサービスを取り扱っているため、利用してみてほしい。
「投資信託の過去の運用実績からみると、平均して年4%ほどのリターンが見込めます。そのため、毎年4%の定率で取り崩して残りは運用を続ければ、資産が減りにくくなる。例えば、いまの資産が338万円なら年4%は13万5200円。もし翌年400万円に増えたら16万円を取り崩す計算です。
新NISAは長期運用が大前提なので、金融機関や商品選びと同じくらい“続けられるかどうか”が大切なのです」(横山さん)
“遅咲きのデビュー”だからこそ着実に、かつ少しでも大きな資産に育つよう、無理のない範囲で臨みたい。
(了。第1回から読む)
※女性セブン2024年5月9・16日号