初のニューヨーク出店は20代社員3人が挑む
ネット通販で洋服を購入する層が一定数いる今の世の中で、リアルな接客による「顧客の感動体験」を重視する同社は、あくまで実店舗での販売にこだわる。「FROM JAPAN TO THE WORLD」をスローガンに海外にも目を向け、5月11日には米ニューヨークのファッションエリア・ソーホー地区にSTUDIOUS TOKYO NEWYORK店をオープンする。
閉塞感が漂いがちな日本社会にあって、「世界へ」と大志を抱く同社だが、この先の近未来をどう見据えているのか。
「日本は人口が減って市場が縮小していきますが、世界的に見るとファッション業界の市場はどんどん大きくなっていきます。当社は“日本発を世界へ”を掲げているので海外事業にも力を入れていきたい。私たちが本当に日本一のファッション企業になり、業界の給与水準を上げていくことができれば、優秀なより多くの人材がこの業界に入ってくるはずです。ファッション業界の社会的地位が向上することをめざして、これからも頑張っていきたいですね」
TOKYO BASEにとって初めての米国出店となるニューヨーク店には、日本から20代の社員3名を派遣する。日本全体の実質賃金が下がり続けるなか、同社の「新卒初任給40万円」は英断に違いない。歓迎する声を追い風にして、若い世代が躍動する同社ならではのチャレンジがこれからも続いていきそうだ。
(了。前編から読む)
取材・文/池田道大(フリーライター)、写真/五十嵐美弥