そんな新たな走りの可能性を手に入れたレイバックの走りですが、SUVとしての適応力、そして総合力については、ごくごく普通の週末ライフの中で試すことがやはり必要だと思い今回のドライブプランを立てたのです。都内で桜の開花宣言が出るまで、あと1週間ほどという3月の下旬、ぽかぽかとした春の陽射しを浴びながら、レイバックは走り出しました。
雪道や450kmの高速ロングドライブでも疲労感なし
その瞬間から感じる乗り心地のよさ。「タイヤが丸い」と言うことをしっかりと感じるようなスムーズな走り出しに、思わず顔の表情も緩みます。さらに速度を上げ、込み入った市街地を駆け抜け、そして首都高速に乗り込む。ここまでの走りですでに、レイバックの上質な走りを存分に味わった印象です。
高速に入れば最新の高度運転支援システム「アイサイトX」にお任せ。もちろん現在では自動運転レベル2の「運転支援機能」であって自動運転(レベル3以上)ではありません。それでも前方の車両に対しての追従性もよく、車線中央をキープして走る能力は高く、本当に安心できます。
中でも両手を離して使用できる「ハンズオフ」機能を備えた新世代の「アイサイトX」は、心強い限り。高精度GPSと3D高精度地図データを使って運転をアシストしてくれます。ただ1点、自動車専用道路上で走行速度0km/h~約50km/hの時だけ、というのが少々もったいない気がします。つまり高速道路などで渋滞した時のみの使用ということになります。
これについては「技術的には100km/hまで対応できますが、安全を考慮して、現状はあえて50km/h以下にしました」とスバルは説明している。当然ながら今後は、より高速域での実用化を検討しています。この辺の慎重さも「スバルの良心」ということだと了解しつつ、次なる展開を待ちたいと思います。
それでもレイバックのために味つけを変えた足回りはしなやかさと快適さを手に入れ、疲労軽減に対する貢献度が実に大きなアイサイトXとともに、ストレスの少ない高速ドライブを可能にしています。快適さを増したこの高速ロングドライブ、実に快適です。
今回の目的地は、いつもロングドライブの試乗で走る新潟方面。都内はぽかぽかですが、新潟はまだ雪予報が出るほどで、急激な天候変化もあり得ます。それでもなぜか「スバルの4WDシステムなら安心」という気分にさせてくれます。正直に言えば、雪国生まれ、雪国育ちにとって「スバル車は頼れるツール」と言うイメージが高確率であります。実際、雪国ではスバル車との遭遇率が急激に高くなると、感じると思います。
実際、スバルのシンメトリカル4WDは、4輪のトラクションの配分が上手く、安定して雪道などの滑りやすい道をスイスイと走ってくれます。東京をはじめ太平洋側の地域に住んでいる人が、このレイバックにオールシーズンタイヤを履かせておけば、まず困ることなく、安心して1年間を過ごせるはずです。
そのためにもレイバックの200mmという、本格的なSUV並みの最低地上高は助かります。雪道はもちろんのこと、キャンプサイトなどの「深い轍(わだち)」や大きめの段差を乗り越える時でも、お腹を擦ることを気にするようなストレスは、かなり軽減されるのです。
実際、今回もまだ雪で覆われていた脇道を、数十メートル走行したのですが、不安感はまったくなかったのです。その点においてもクロスオーバーSUVのレイバックは約450kmのロングドライブで、なんとも心強い存在に映ったのです。
実績十分のスポーツワゴン、レヴォーグ譲りの軽快さと高い実用性、そして本格SUVに匹敵する走破性の高さとともに出掛けるドライブ。それは、まさに「オールシーズングランドツアラー」と呼ぶにふさわしい存在だと確信しました。