藤川里絵「さあ、投資を始めよう!」

【GW明けに決算発表ラッシュ】日本企業の7割が「3月決算」である理由 会社予想の“クセ”をどう見分けるか

3月決算企業の本決算で注目するポイント

 3月31日に締められる決算は、45日以内に発表しなくてはいけないというルールがあるので、おおむね4月末から5月半ばにかけて、多くの企業が本決算発表を行います。とくにゴールデンウィーク明けに、決算発表が集中するので、株式投資家は、お休み気分にいつまでも浸っているわけにはいきません。ちなみに今年は5月10日に701社、週明けの13日に457社、14日に592社、15日に578社が決算発表を予定しています。

 今年から株式投資をスタートした人にとっては、はじめての決算発表になります。保有株企業の決算は、ぜひチェックしてください。場合によっては、売却したほうがよい場合もあります。

【本決算発表のチェックポイント】
・着地の数字が予想値を達成できているか
・新年度予想が、売上、営業利益ともに伸びているか

 決算のチェックポイントは、細かいところを上げればキリがないのですが、はじめての決算チェックなら、まずは上記2点でよいでしょう。予想の数字が達成できていれば、その会社の予想の精度が信用できることの確認になります。

 そして、新年度予想の売上、営業利益が伸びていれば、今後も成長が持続することが期待できます。もし、会社四季報が手元にあれば、四季報予想と比べてみるのもいいと思います。四季報の予想より、会社が発表する予想値のほうが強気であれば、かなり見通しが明るいと言えます。

 余裕があれば、その企業の過去の修正履歴を確認してみてください。当初の予想に対して、上方修正傾向なのか、下方修正傾向なのか、もしくは、当初の予想とほぼ変更なしで着地しているのか、企業によってクセがあります。上方修正のクセが強い企業なら、新年度予想が控えめでも、進行中に上方修正することも期待できます。

 新年度予想がよくても、翌日の株価が下落して、腑に落ちないことがあるかもしれません。これは株式市場ではよくあることで、投資家の期待値が高い場合、それに届かずに売られてしまうのです。

 ただし、こういう下落は短期的な需給で起こることで、業績自体が伸びていれば、いずれ買い戻されることが多いものです。短期的な株価の動きに動揺する必要はありません。逆に、新年度予想が減収減益となっていれば、保有株の売却を検討してみるべきです。基本的には、株価は利益の伸びと連動します。その銘柄に対する思い入れだけで、ホールドすると、ずるずると株価が下落し、塩漬け株となってしまう可能性もあるので注意しましょう。

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