今年から新NISAが始まり、配当を非課税で受け取ることができる配当株投資にも注目が集まっている。配当株投資の特徴の一つに「増配」がある。増配の恩恵を得るにはどのように投資をすればよいだろうか。著書『新NISAで始める!年間240万円の配当金が入ってくる究極の株式投資』も話題の配当太郎氏が解説する。【全3回の第2回。第1回から読む】
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配当株投資の「成長エンジン」は、【1】「自己資金による追加投資」【2】「配当金からの再投資」【3】「企業による増配」……の3つですが、最も効果的で、最も「ありがたい」と感じられるのが企業による「増配」です。
企業による増配は、自分の財布を開ける必要がなく、そのパワーも圧倒的です。3つの成長エンジンの馬力でいえば、企業による増配がメイン・エンジン、配当金からの再投資と自己資金による追加投資がサブ・エンジンとなります。
成長エンジンとしての増配のパワーを、注目4業種の配当金の推移で確認してみましょう。前述の注目4業種の6銘柄を、それぞれ約100万円購入したとします。2014年3月期に買って、配当金からの再投資や、自己資金による追加投資をせず、2024年3月期まで持ち続けた場合、受け取る配当金は次のように成長します。
【銀行】
【1】三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)
・持ち株数 2000株
・取得金額 100万円
・1株配推移 16円→41円
・配当金推移 3万2000円→8万2000円
【2】三井住友フィナンシャルグループ(8316)
・持ち株数 300株
・取得金額 105万円
・1株配推移 120円→270円
・配当金推移 3万6000円→8万1000円
【商社】
【3】三菱商事(8058)
・持ち株数 1600株
・取得金額 100万円
・1株配推移 22.67円→70円
・配当金推移 3万6272円→11万2000円
【通信キャリア】
【4】NTT (9432)
・持ち株数 2万株
・取得金額 100万円
・1株配推移 1.7円→5円
・配当金推移 3万4000円→10万円
【5】KDDI(9433)
・持ち株数 700株
・取得金額 105万円
・1株配推移 43.33円→140円
・配当金推移 3万331円→9万8000円
【損害保険】
【6】東京海上ホールディングス(8766)
・持ち株数 1000株
・取得金額 100万円
・1株配推移 23.33円→121円
・配当金推移 2万3330円→12万1000円
資金的に余裕のある人が、この6銘柄をすべて購入していれば、当初約19万円だった配当金は、10年くらい経てば約60万円に増えています。
これが、配当株投資の一番の醍醐味といえる増配の威力であり、その間に「配当金からの再投資」や「自己資金による追加投資」をしていれば、受け取る配当金はさらに増えているのです。