美容医療も条件によっては保険適用
自由診療で自費になることが多い美容医療だが、条件によっては保険適用となるケースも少なくない。
「加齢とともに目立つようになるまぶたのたるみをとる眼瞼下垂(がんかかすい)も、症状が重く視野が狭くなり生活に支障が出ると診察されれば治療は保険適用になります。
シミやくすみ、やけどや日焼けの痕も種類や状態によっては該当します」(丸山さん・以下同)
近年では治療だけではなく、医療の進化にともなう新薬も保険適用に。今年2月には“禁断のダイエット”として賛否を巻き起こしている糖尿病治療薬と同成分を持つ「ウゴービ」が肥満治療薬として発売された。BMIが27以上かつ2つ以上の肥満に関連する健康障害を持つなどの要件を満たすことで保険が適用される。
また昨年、国内初の認知症治療薬として発売された「レカネマブ」も保険適用薬だ。
「女性が悩みがちな便秘についても、慢性的な場合は市販の便秘薬を薬局で買うのではなく便秘外来を受診すれば、保険で治せます」
横川さんは、近年患者が増えている病気についてもこうアドバイスする。
「アルコールや薬物、ギャンブルなどの依存症治療にも保険がききます。集団治療プログラムを中心とした医療機関での治療が受診できるのです」
「どこで受診するか」も重要だ。
「美容外科と形成外科は混同されがちです。ほくろの除去や、やけどの痕やシミを薄くする治療について美容医療と思って最初から美容クリニックに行ってしまうと、自由診療での治療をすすめられてしまうケースもあります。
まずは皮膚科や形成外科など専門医を受診し、保険適用でできる治療がないか相談してみて」(丸山さん)