明らかに怪しい電話には、まともに対応しないのがいちばんだとCさんは話す。
「最初にかかってきたのは、医療費の還付があるので手続きしてくれという話だったと思います。よくある手口だということは知っていて怪しいとは思いつつも、質問にもちゃんと答えないし、下手なことを話してしまうのもいやだったので、適当に『時間がない』とか言ってこっちから電話を切りました。
その後、別の日に警察官をかたる電話がかかってきたんですが、それはさすがに詐欺だとすぐに分かりました。広域犯罪の捜査のなかであなたの電話番号が浮上したとか、そんな内容だったと思います。聞いたことがある手口だったので、すぐに切りました」(Cさん)
さらにCさんは、明らかに“様子がおかしいふり”をして、詐欺電話に対処したこともある。
「なにかの未払金を請求するような内容の電話がかかったてきたこともあります。そのときは詐欺電話にもちょっと慣れて、余裕もありました。だから、何を言われても『あー』とだけ返事をして、対応したんです。向こうもまったく話が通じないと思ったのか、3回目くらいに『あー』と返事をしたら、切られましたね。とにかく話を聞かない、まともに対応しないというのは、有効だと思います」(Cさん)
さまざまな手口がある特殊詐欺だが、騙されないために重要なのは、怪しい電話がかかってきても、個人情報を話したり、まともに取り合ったりしないこと。説明するまでもないが、警察が非通知で電話をかけてくることはなく、電話でキャッシュカードの暗証番号を聞かれることも絶対にない。自分が被害者にならないために、怪しい電話には冷静に対処したいものだ。(了)