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タイパ志向と逆行するスマホゲームの“リセマラ族” 「なかなかゲームが始められない」けど「お金を使わずガチャの醍醐味を味わえる」

リセマラには耐久力と忍耐力が必要(イメージ)

リセマラには耐久力と忍耐力が必要(イメージ)

 スマホゲームのガチャを回すには課金が必要だが、“リセットマラソン”(通称・リセマラ)ならお金はかからない。リセマラとは、お目当てのキャラやアイテムを手に入れるため、ゲームを何度もリセットしてスタート時の初回ガチャを引き続けること。もちろんリセマラをしなくてもゲームを始められるが、自分が納得できるキャラやアイテムを手に入れるまでリセット→ガチャの流れを繰り返し、文字通りマラソンのように終わりの見えない作業を続けるユーザーもいる。一見、現代に広がる“タイパ”の価値観とは逆を行くような印象を受けるが、なぜ続けるのだろうか。“リセマラ族”の若者たちに聞いた。

微課金ぐらいでやるためにリセマラは必至

 IT企業勤務の20代男性・Aさんは約半年間スマホゲームを「完全引退」していたが、人気シリーズの最新作がリリースされ、早々に復帰することにしたという。

「スマホゲームを完全引退したつもりでしたが、新作ゲームのグラフィック、音楽、キャラに魅せられて復帰しました。ただし、いろんなものが値上がっているなかで、もうゲームにかけるお金はない。無課金とは言わないまでも、微課金ぐらいでやるために、ある程度手札をそろえて始めたかった。だからこそ、リセマラは妥協できませんでした」

 Aさんにとってスマホゲームのプレイ前のリセマラは欠かせないが、「過去一番、沼っている」と言う。

「1日2~3時間、それを何日も続けています。正直、僕がやってきたゲームの中で、一番リセマラがしやすいゲームだからこそ、もっといい結果を求めてしまい、いつもなら妥協できるラインなのにできません。SNSで“神引き”した人を見るとなおさらです。ただもはやリセマラ疲れしてきたので、脱落の危機です……。

 ちなみにゲームは『学園モノ』なのですが、僕はいつまでたっても入学できず、推しとの物語が始まりません。いつまで“浪人生活”が続くのでしょうか」(Aさん)

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