中川淳一郎のビールと仕事がある幸せ

受信料の節約だけじゃない、地方在住男性が実感する“テレビを捨てて良かったこと” 「不要な情報に触れずに済む」「無駄だった習慣を排除できた」

地方に住んで、東京のデカ盛りメニューや行列スポット情報は不要

 テレビを捨てることにより、「無駄だった習慣」をすべて排除できたのが最大の利点ですし、結局テレビは最大公約数に合わせる作りをするため、自分のようなひねくれ者には向いてないメディアだったんです。

 あと、もう一つポイントがあります。私は佐賀県唐津市在住ですが、佐賀って独自の局はNHKの佐賀支局とフジテレビ系のサガテレビしかないんですよ。あとは各地のローカルケーブル局ぐらいでしょうか。基本は東京のキー局が制作する番組なわけで、東京のデカ盛りメニューやら行列スポットを紹介され、野菜や果物の価格関連話題になるとスーパーアキダイの社長が登場する。

「いや、オレ、全然この情報いらないんだけど……」としか思えなくなり興ざめします。こうしたこともテレビ離れに繋がったと思います。正直、佐賀新聞に出ている地元の人の訃報やら表彰情報の方が自分にとっては大事です。そういった意味で、地方に来たこともテレビ不要人生化を加速させたのかもしれませんね。

 まぁ、これ以上新しい芸能人を知りたいとも思いませんし、NHKの大河ドラマやら朝ドラを毎週・毎日同じ時間にスタンバイして観たいとも思わない。アマゾンプライムで名作映画はいくらでも無料で見られるし、YouTubeで魚のさばき方を見たり、1980~90年代のNBAの試合を観る方が面白い。

 なんだか中二病みたいなことを書きましたが、これが私が50歳にして到達した、テレビに対する偽らざる気持ちです。

【プロフィール】
中川淳一郎(なかがわ・じゅんいちろう):1973年生まれ。ネットニュース編集者、ライター。一橋大学卒業後、大手広告会社に入社。企業のPR業務などに携わり2001年に退社。その後は多くのニュースサイトにネットニュース編集者として関わり、2020年8月をもってセミリタイア。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』(光文社新書)、『縁の切り方』(小学館新書)など多数。最新刊は『日本をダサくした「空気」』(徳間書店)。

テレビのない生活をしてみたら…(イメージ)

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