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「消費税4万円のはずが10倍以上に!」思わぬ勘違いで納税額が跳ね上がったフリー編集者のため息 混乱を招くインボイス制度の複雑さ

4万円で済むと思った消費税が10倍以上に

 後日、修正後の消費税の申告書が自宅に郵送され、追加で40万円弱の消費税を納付することになったAさん。売上にかかる消費税額から業種に応じたみなし仕入率をかけた金額を差し引いた額を納税する「簡易課税方式」を適用して消費税額を計算した。フリー編集者の場合、みなし仕入率が50%となる「第5種事業」に区分される。簡易課税方式を適用するには、事前の届け出が必要だ。

「あとから思い出したんですが、私は簡易課税方式を選択する届け出を出していたんです。税務署から簡易課税方式についての届出書が自宅に届いて、知人のフリーライターにどうすればいいかを聞いて、言われるがままに記入して返送した記憶があります。

 それは売上が1000万円を超えて、令和5年に課税事業者になるからその届出書が届いたということなんですよね。このあたりの制度もしっかり理解しておかないと、いろいろと面倒な手続きが増えてしまうことを痛感しました」

 4万円で済むと思った消費税納税が、追加で40万円も払うことになったAさんだが、この制度の複雑さに困惑するばかりだ。

「追徴課税や利子を取られたわけではないし、間違って申告していた私が悪いので、合計44万円を納付するのは仕方ないとは思います。でも、この制度でミスすることなく申告するのは大変だと実感しました。来年の確定申告では間違えないようにしたいとは思っているものの、まったく自信はありません」

 インボイス制度開始の裏側では、Aさんのように修正申告が必要になったケースや、初めての消費税申告に手間取る個人事業者も少なくないだろう。かつ、そういった事例が税務署への負担になることも容易に想像できる。導入から紛糾の声が続出したインボイス制度だが、まだまだ混乱は続きそうだ。(了)

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