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世界の金融情勢から読み解く2024年後半の日本株展望 「過剰流動性相場」は継続、大型バリュー株が牽引して日経平均4万5000円予想も

投資妙味の高い大型バリュー株の具体的銘柄

 当面の日本株の牽引役が大型バリュー株であるなら、投資家はどういった銘柄に目を向けておけばよいのか。やはり最高益更新など業績がよく、積極的な自社株買いを進めている企業は評価される。

 前述のトヨタ自動車(7203)や三菱商事(8058)は、そこに円安メリットも加わる。日銀の利上げ期待から利ざやの向上が見込めるメガバンクも物色対象となり得る。株価に出遅れ感のある三井住友フィナンシャルグループ(8316)などは注目だろう。

 生成AIに不可欠な高性能半導体を手がける米エヌビディアが空前の好決算に沸いているように、半導体関連はまだまだ要注目。半導体製造に不可欠な検査・測定機器メーカーのレーザーテック(6930)、半導体や電子部品向け切断・研削・研磨装置で世界首位のディスコ(6146)、半導体用シリコンで世界大手のトクヤマ(4043)などは引き続き注目しておきたい。

 ほかにも、有望な航空宇宙関連など幅広く手がける三菱重工業(7011)、都心部の不動産価格上昇が追い風となる三菱地所(8802)なども業績好調な大型バリュー株の一角に挙げておきたい。

 当面は過剰流動性をベースとした大型バリュー株中心の相場が続くとみられ、ここに挙げたような銘柄の上昇が期待できるのではないか。もちろん、リスクをとってでも大きな利益を狙おうとするならば、時価総額の小さな成長中小型株に投資する手もある。そうした大化け期待の銘柄については、別の記事で紹介している。いずれにせよ、適切な銘柄選びができれば、今は株式投資に適した環境にあると言えるだろう。

 長きにわたるデフレにすっかりならされてしまったが、世界的なインフレの流れが日本にも到来したことを考えると、私たち日本人もいよいよ“インフレ脳”に切り替える時が来ている。物価よりも貨幣の価値が下がるインフレ下では、ほぼ金利のつかない預貯金だけでは資産は目減りするばかり。インフレに対抗しうる投資に本格的に目を向けるチャンスがいま訪れている。

【プロフィール】
戸松信博(とまつ・のぶひろ):1973年生まれ。グローバルリンクアドバイザーズ代表。鋭い市場分析と自ら現地訪問を頻繁に繰り返す銘柄分析スタイルが口コミで広がり、メルマガ購読者数は3万人以上に達する。最新の注目銘柄、相場見通しはメルマガ「日本株通信」にて配信中。

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