「最近は、東京の港区・千代田区・中央区の都心3区を中心に、坪単価が1000万円を超える途方もない高額物件が増えています。今、販売されているマンションの専有面積の中央値は70平方メートルを切っているので、坪数でいうと20坪前後。決して広くはないですが、それでも坪単価1000万円だと2億円を超えます。そんな物件を買える人は、国内外の富裕層や投資家など、ごく一握りの人たちだけ。一般のファミリー層向けマンションの価格は、東京の都心に出やすいエリアでいうと5000万~7000万円あたりがボリュームゾーンです。平均が高いのは、一部の超高額物件が釣り上げているからです」(長嶋さん・以下同)
“管理不全”の状態に陥り、スラム化まっしぐらのマンションも
予算の範囲内で物件を絞り込むには、まず「自分たちがマイホームに求める条件」をよく考えてみる必要がある。
「マイホームの購入にあたっては、【1】購入目的【2】希望エリア【3】希望物件の種別【4】希望の広さと間取り【5】希望の築年数【6】予算【7】その他――この7つを改めて考えることで、自分たちがマイホームに求める条件が見えてきます」
購入目的が「何となく、周りも買う人が増えたから」など、漠然とした答えになる場合は、そもそもマイホームを買うベストなタイミングとは言えない。他人に流されることなく、本当に自分がマイホームをほしいと思える理由ができたときが、購入に踏み切る好機だろう。
希望物件の種別は「新築」や「築浅」を希望する人が圧倒的に多い。ただ、好立地の新築物件は供給が少なく、築浅も新築並み、あるいはそれ以上に値上がりしていることがある。また、昨今の新築マンションの中には、販売価格をファミリー層が手の届く範囲内に据え置きつつも、部屋の面積を狭くしたり、設備のグレードを落としたりして“ステルス値上げ”している物件を多く見かけるという。
「なかには、“この販売価格でこのグレード?”と驚かされるような物件も出回っています。それなら、少し前に建てられた物件のほうが設備はいいし、専有面積も広い。今の時代、築年数にこだわらずに探したほうが、いい物件と巡り会える可能性が高いです」