1997年の創業から、3年という短期間で上場を果たし、日本屈指の大企業となった楽天。1.6兆円という巨額の売り上げで、楽天市場や楽天カード、楽天モバイルなど70以上ものサービスを展開する同社を率いるのが、創業者の三木谷浩史氏だ。そんな三木谷氏が考える一流のビジネスパーソンの条件は何か。氏の新著『成功の法則100ヶ条』(幻冬舎)から探っていく。
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ビジネスパーソンの資質として、フットワークの軽さはきわめて重要だ。
経験的に言っても、今まで出会った優れたビジネスパーソンは、ことごとくフットワークが軽かった。このことについては、ただ一人の例外もない。
決断が速い。実行が速い。そして、文字通りフットワークが軽い。今できることは、些細なことでも今やってしまう。面倒なことはなおさらだ。やらずにおけば、どんどんやる気がしなくなる。
要するに、普通の人が持ち越すことを、絶対に持ち越さない。
性格的にせっかちな人が多いのも事実だけれど、それがいちばん効率がいいことを感覚的に知っているからだろう。逆に言えば、この感覚がなければ、ビジネスパーソンとして成功することはできないのだ。
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