テーマ株はブームが去ると悲惨なことに
生成AIやバイオ関連など、その時々で旬の話題を集める「テーマ株」投資も、60才以上にとってはリスクが高い。
「生成AIが話題を集めているからといって、関連企業の業績と株価が上がるとは限りません。また、テーマ株の株価はメディアで話題になる頃にはすでに上がりきっており、その先は大幅な上昇が望めないどころか、ブームが去って急に株価が下がることも少なくないのです」(西崎さん)
かといって、人気のない銘柄を穴狙いするのも避けたい。証券アナリストでファイナンシャルプランナーの小川貴行さんが言う。
「売買される株数を示す『出来高』が小さい銘柄には手を出さない方がいい。市場に出回る数が少ないと、たとえ業績が上がってもなかなか買い手がつかず、持て余してしまうリスクが高いのです」
高配当株もテーマ株も買ってはいけないとなると、銘柄選びの判断はより難しく感じてしまう。だがそこで知人を頼るのは悪手だと、小川さんは言う。
「人のすすめる銘柄を言われるがまま買ったり、体験談をうのみにして投資してはいけません。他人の体験談には再現性がないうえ、“なぜその銘柄がいいのか”を理解しないまま投資すると、少し下がっただけで心が折れて、すぐに手放して損につながりやすくなります」(小川さん)
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