未会計のお菓子を開封したのに「いらないので」
食料品を扱う現場でも悩みは尽きない。スーパー勤務の30代女性・Bさんは、「子供が未会計の商品を開封してしまうことはわりとある」というが、「親の対応の差が大きすぎる」とため息をもらす。
「開けてしまったことを報告しにきたうえで謝罪し、買い取る人もいますが、謝るどころか、子供に向かって『それは買わないって言ったでしょ!』とだけ言って、なにごともなく店を出ようとした人もいました。もう売り物にならないわけで、もはや普通に“万引き”されたのと同じです」
セルフレジを導入したことで、子供が惣菜をいじってしまうこともあるという。
「セルフレジで子供がお惣菜のパックをいじって、中身がこぼれてしまったことがありました。親はレジとスマホ操作に夢中。私が気づいて近づいてきたところで、親から『子供が落としたので、新しいものに交換してください。まだ食べてはいないので、大丈夫ですよね?』と言われてしまいました。
どう答えたものか悩んでいると、親が子供に対して『○○くん、新しいこれ持ってきて』と指示していました。新しいものへの交換を提案するのは店側の方では……」(Bさん)
「店側の管理が悪い」と繰り返す
最近では、外国人親子のトラブルもあるという。量販店に勤務する40代男性・Cさんは、客の報告を受けて現場に急行した時のことを振り返る。
「『外国人の子供たちが商品で遊んでいる』という、お客様からの報告があり、行ってみるとアニメのコスプレグッズで遊んでいる子供たちが……。どれもパッケージが破かれたうえ、すでにうっすら汚れ、明らかに“使用済み”となってしまっているんです。
周囲に両親は見当たらなかったのですが、数分後に別の売り場で買い物していたらしく戻ってきたところで、開封したものは買い取りになることを説明しましたが、親側の主張は、『子供たちは悪くない』『店側の管理が悪い』と繰り返すばかり。面倒でそれ以上の交渉は諦めましたが、憂鬱な気持ちになりました」
カスハラに近いケースもあり得るだけに、対応を迫られる店側の苦慮も深まっているようだ。(了)