今や40代で未婚の一人暮らし女性など珍しくもないが、一人暮らしを続けていて心配なのは老後の生活だろう。そうした中で、甥や姪をとことん可愛がって、将来の面倒をみてもらおうと画策している人もいるようだ。だが、度を越えて溺愛しすぎてしまうと、思わぬ事態に直面することになる。
T子さんは都内在住の40代独身女性。幼い頃から優秀で、難関国立大学を卒業後は誰もが憧れる人気企業に就職し、その後IT企業に転職して、同年代の平均より遥かに高い収入を得ている。過去には男性との交際歴もあるが、アニメや漫画、TVゲームが大好きな、いわゆる“オタク”で、結婚願望はゼロ。その代わりに甥と姪(兄の息子と娘)を溺愛してきた。
甥や姪が幼い頃は、関係は良好だった。誕生日、お年玉、クリスマス、入学、卒業、七五三……ことあるごとに甥や姪にプレゼントやお小遣いを渡し、親以上の熱心さで、運動会や学芸会に足を運び、ビデオを撮りまくってきた。携帯電話の待ち受け画面はもちろん甥や姪だ。甥や姪もT子さんのことが大好きで、T子さんは幸せな独身ライフを満喫してきた。
しかし美しい関係も永遠には続かない。甥や姪が大きくなり、ブランド物の洋服やバッグを買ってあげたり、高級レストランに連れ行ったりするまでは兄も黙認していたが、車をプレゼントしようとしたところで、ついに兄からストップがかかった。「ウチにはウチの教育方針がある」と主張する兄に、T子さんが「喜んでるんだからいいじゃない」と言い返すと、兄は、
「子育ての面倒臭い部分は一切やらずに、たまにやって来て、お小遣いだけあげて好かれようなんてふざけるな!」
と、激怒。出入り禁止を命じられたのだ。その後も甥や姪にアプローチしたものの、「もう子供じゃないし」「バイトしているから」と言われてしまい、長きにわたる良好な関係は終焉してしまった。一連の事情を知るT子さんの友人はいう。