世界各国の投資家が売りに転じる動き
ただ、このレポートの情報と符合する指摘は、他所でも見られる。日本銀行が今年4月に公表した「金融システムレポート」の記述だ。
〈これまで不動産取得に積極的だった海外投資家は、昨年後半、4年振りの売り越しに転じた〉
〈海外ファンドがグローバルなポートフォリオ・リバランスの一環として、日本の投資物件を売却する事例がみられる〉
日銀の公表資料は“売り手の変化”にも言及する。2023年前半までは「米国市場で損失を出した米系ファンド」が売り手となり、それらの物件は「アジア系ファンドや海外機関投資家」が新たに取得していた。
ところが、2023年後半からは〈金利上昇観測を背景とした利益確定売りなど、米系以外のファンドが売り手に回る事例も散見される〉という。つまり、世界各国の投資家が売りに転じる動きを指摘しているのだ。
■《全文公開》日本の不動産バブルに終焉の予兆 「早ければ今年中」と巨大企業グループが最高幹部会で警鐘、都心のタワマンを売り急ぐ中国法人も
※週刊ポスト2024年6月28日・7月5日号