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「維新の終わりの始まり」前明石市長・泉房穂氏が語る「大阪行政」の問題点

2024年度から高校授業料「完全無償化」の段階実施を決めた吉村洋文・大阪府知事

3人の子供を持つ吉村洋文・大阪府知事

「親だから子供の代わりに投票なんて許されない。吉村さんは子供が3人いるから『僕は4票持つ』と言ったそうですが、子供は親の持ち物じゃない。しかも、子育て世代の票を増やせば子育て施策が進むのかも疑問。むしろ世代間対立を招いて子育て世代が住みにくくなってしまう。明石では子育て施策が人口増や街の活性化につながり、商店街の店主など年配の世代にも利益になると強調した。全世代がハッピーになる街づくりこそ求められる。0歳児選挙権はその妨げになるだけです」

「大阪の人が目覚める時」

 これまで、なぜ維新政治は大阪を席巻したのか。泉氏はこう見る。

「古い自民党の体質のような前例主義を変えようとしたことでしょうね。既得権益をなくすとか。でも維新の中心には自民党から来た人が多いですから。古いしがらみが、新しいしがらみに置き換わっただけじゃないでしょうか? 結局は市民生活より利権につながる部分を重視する。コロナ対策にもよく表われています。人口に見合うだけの保健所の機能を強化しなかったから、対応が遅れて大勢の死者を出しました」

 そんな泉氏が注目する維新内の動きがある。日本維新の会で大阪9区選出の足立康史衆議院議員が党員資格停止6か月の処分を受けたことだ。理由は、今年4月の東京15区の補欠選挙で維新陣営が法定ビラとは別に政党機関紙を配ったことについて「公職選挙法に触れる恐れがある」と指摘したこと。これが「党批判を行なった」とされた。

「いろいろ理由を言うけど結局は“排除の論理”やね。足立さんは前回の維新の代表選で馬場(伸幸)さん(現代表)の対抗馬として出たから、何かあったら切り捨てたいんでしょう。私の地元・兵庫では維新に親しい方もいるけど、これは“維新の終わりの始まり”だと感じます。今、まさに大阪の人たちが目覚める時が来たようです。改めて介護保険料の問題、クジラ処理費の問題、万博とカジノの問題、コロナ被害の問題について問い直してみてください。市民のためになっていませんよ。ここを見直すことから大阪の再生が始まるんじゃないでしょうか?」

 大阪は今後、どう変わっていくか。(了)

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