健康保険への加入で医療費の保障も手厚くなる
厚生年金に加入するメリットはほかにもある。加入すれば会社の健康保険にも入るので、働けなくなったときの傷病手当金や出産手当金なども受け取れるようになり、保障が手厚くなる。
「例えば医療費の自己負担の上限額が決まる高額療養費制度も、妻が健康保険の扶養だと収入が高い夫の上限額が適用されますが、本人が健康保険に入っていて年収が370万円以下なら、5万7600円で済みます。
障害年金の給付も手厚くなるため、障害基礎年金に加えて障害厚生年金も受け取れるようになり、2級だと81万6000円にもなる。これは寝たきりになるような重度の障害でなくとも、手術で臓器を摘出したり、精神疾患にかかったりすることでも対象になる可能性があります。現在は20才から24才まででも約11万人と、東京都の20才人口と同じくらいの数の人が受け取っています」
また、雇用保険からは教育訓練給付金も10月から給付率が80%に上がる。非常に手厚くなるので、民間の保険への加入は社会保障の給付内容を確認してからでも充分だ。
厚生年金に加入していれば「iDeCo(個人型確定拠出年金)」をお得に使うこともできる。
「国民年金加入者は60才までしかiDeCoに加入できませんが、厚生年金加入者なら65才まで加入できる。給与から毎月2万3000円を拠出すればその掛金が全額所得控除されるので、効果的に節税できます」