為替は1ドル161円台まで円安ドル高が進行しており、神田財務官、鈴木財務大臣は口先介入の回数を増やしているが、効果は限定的。市場では「口先介入に終始しており、現時点の円安のスピード感では為替介入は実施しにくい」との見方も聞かれる。神田財務官が今年3月に「2週間で、ドル円で4%はなだらかなものとは到底言えない」と発言していることから、「2週間で4%の円安ドル高」が確認できなければ政府・日本銀行は円買いドル売り介入を実施できないと見られている。このルールに当てはめると、2週間前の為替は1ドル157円前後で推移していたことから、為替介入を実施するには163円水準が必要となる。
また、米財務省が、日本を為替操作国の監視リストに入れたことで、政府・日銀は介入をしにくくなったとの見方もある。ほかにも為替介入の陣頭指揮を執っていた神田財務官が交代することなども思惑材料となっているようだ。
もっとも、為替介入はいつ入ってもおかしくない状態ではある。前回介入が実施された4-5月時、ドルは4月29日の160円10銭水準から5月3日には151円90銭水準と8円強円高ドル安に振れたことから、仮に為替介入が実施された際、海外売上高比率が高い銘柄にとっては格好の売り材料となる。
今週にかけて、日本では、7月1日に第2四半期日銀短観、6月消費者態度指数、2日に6月マネタリーベース、5日に5月景気動向指数(速報値)などが予定されている。
海外では、7月1日に中・6月財新製造業PMI、トルコ・6月製造業PMI、欧・6月独消費者物価指数(速報)、米・6月PMI(確報値)、ISM製造業景気指数、2日に欧・6月ユーロ圏消費者物価指数(概算値速報)、5月ユーロ圏失業率、米・5月JOLTS求人件数、3日に豪・5月小売売上高、中・6月財新コンポジットPMI、サービス業PMI、米・6月ADP雇用者数、週次新規失業保険申請件数、5月貿易収支、6月PMI(確報値)、コンポジットPMI(確報値)、5月製造業新規受注、耐久財受注(確報値)、6月ISM非製造業景気指数、週次原油在庫、6月FOMC議事録、5日に米・6月雇用統計などが予定されている。