夫婦でそもそも話すことがない、会話が続かない
配偶者のいるうちに備えておくべきなのが「親戚づきあい」だ。
「妻が死んでも、妻の親が存命だった場合は介護をどうするのかといった問題が続きます。親戚とのやりとりを妻に任せきりにしていたため、次第に連絡が滞り、関係が疎遠になってしまうケースも少なくない。
夫婦が健在のうちからお互いの親戚の連絡先をまとめて、SNSのグループを作るなどコミュニケーションが取れるようにしておきましょう」(小谷氏)
2022年9月に妻のこづえさんを悪性脳腫瘍で亡くした嘉門タツオさん(65)は、妻を亡くしてからも妻の3人の弟と良好な関係が続いているという。
「義理の弟たちとはグループLINEを作っており、妻の月命日である15日にはいつもお墓参りの連絡と写真をアップして、お互いに『ありがとう』と言い合える関係を維持しています。気軽なSNSだけでもいいので、つながりを持ち続けることが大事だと思います」
子供とのコミュニケーションも、妻が生きているうちに取っておきたいと小谷氏は言う。
「娘はまだ帰省してくれますが、息子の場合は母親が亡くなると実家に寄り付かなくなるケースが多い。父親と息子だけになると連絡を取り合うことも減っていきます。妻の生前から家族のグループLINEを作り、少しずつでもいいので会話に入るようにするといいでしょう」
現在ではLINEなどのようにスマホがあれば気軽に会話できる手段が増えた。「コミュニケーションの練習の場」と考えて挑戦してみるのもいいだろう。