継続して採用された対策技術7
・識別マーク
目の不自由な人が指で触って識別できるように、深凹版印刷によりざらつきを作っている。
・深凹版印刷
額面数字や識別マークには、特にインキを高く盛り上げる「深凹版印刷」が使われ、触るとざらざらした感じがある。
・パールインキ
正面から見てもわからないが、紙幣を傾けると左右両端の余白部分が光沢のあるピンク色に輝いて見える。
・潜像模様
紙幣を傾けると、表面には額面数字の「10000」、裏面には「NIPPON」の文字が見える。
・特殊発光インキ
ブラックライトなどの紫外線を当てると、表面の印章(日本銀行総裁印)や表裏の図柄の一部が発光する。
・マイクロ文字
「NIPPONGINKO」の微小な文字が印刷されており、肉眼では判読不可能なうえ、カラーコピー機などでは再現が困難。
・すき入れバーパターン
すき入れが施され、透かして見ると、一万円札は3本、五千円札は2本、千円札は1本の縦棒が浮かび上がる。
【プロフィール】
加来耕三さん/歴史家・作家。1958年、大阪市生まれ。奈良大学文学部史学科卒業。豊富な知識と緻密な取材にもとづき、多数の著書を発表するほか、歴史漫画の原作や、映画・ドラマの歴史監修なども務める。
取材・文/川口ユウ イラスト/カツヤマケイコ
※女性セブン2024年7月11・18日号